ゼロ年代ファンタジーとしての美少女・萌えと…、80年代アイドル

90年代アニメの美少女がアングラだった。。。。というのが、本来子供向けのアニメ絵をセクシャルに描くことが、ロリコン犯罪的な感じがするのと、大人向けのアニメ表現がOVAメディア化したため、テレビから撤退して“マイナーな分野”になってしまったことと関係がありそう。いわゆるアニメ冬の時代(wikipediaによると89-93年)を含む、90年代はセーラームーンエヴァンゲリオンくらいしか、社会的インパクトのあるテレビアニメは思い当たらないし。あと、ギャル・エロゲー、同人誌とか、コミケといったイベントとか、サブカル専門店とかできるようになり、それはやっぱりアングラな近寄りがたい場所として一般の人の目に映る。ヴァーチャルアイドルのCGクリエイターとか、テレビで出てきても奇異な存在ww ともかくアングラだったわけだ。


ところがテレビでのアキバを扱った番組がたびたび流されて、社会的に認知されるようになった?「萌え」が流行語にノミネートされたり、となんだかもはや美少女キャラや、「萌え」はアングラな表現ではなくなりつつあるような雰囲気なのが、ゼロ年代ファンタジーアメリカであればハリウッド映画があるわけだけど、日本だと大人向けの表現のできる媒体がないわけで、それをアニメや漫画が引き受けているわけだから、それってアリなんじゃないの? とまで、理解されてはいないだろうけど、アニメは子供だけが見るもんじゃないというくらいには、浸透しているような気がするな。


80年代のアイドル歌謡は廃れてしまい、90年代には自己表現的なJPOPが主流になるというファンタジーからリアリズムへの変化。森高千里が自己表現するアイドルとして進化をとげて、かろうじて生き残っているくらいだった。グラビアアイドルとか、女優やタレントとかバラエティ番組を中心にすえた、リアルな表現に時代はすすんでいたものの、それがゼロ年代には行き詰ってしまい、ふたたびファンタジーへと向かっていたような気がする。


漫画原作のテレビドラマが増えたり、キャラを演じるお笑いブームとか、CGファンタジー映画とか多方面で、そういう傾向がみられるような気がすんのね。DVDのセールスを前提にしたノイタミナとか、深夜アニメってすっかり定着したのがやっぱりゼロ年代に入ってかららしい。


そういえば、かつてアイドル歌謡に影響をうけた80年代のSFアニメ「マクロス」の続編、「マクロスF」が深夜に放送されてネットでも話題に。ヒロインはアイドル歌手志望でまさに美少女の萌えキャラを前面にだした演出になっている。ネットで人気ある、アニメの挿入歌「星間飛行」は、かつてのアイドルのパロディかよといいたくなるくらい80年代チックでステキ、と思ったら作詞が松本隆と、かつての松田聖子とかのアイドル歌謡をつくっていた超有名な作詞家でした。位置づけとして、ポスト阿久悠の人???チワワなみに目がウルウルしちゃうですね。


ゼロ年代の「萌え」って、80年代のアイドルと通じるところがあるんだろう。アイドルはぶりっ子と突っ込まれるけど、アニメキャラは演技なのが当たり前なので、つくりもののアイドルとしてカンペキなところもあるね。かつてのアイドル = いまの美少女萌え とまでいかなくても「萌え」の浸透ぶりを見ると、やっぱゼロ年代ファンタジーなのかなと思ったりする。そして、両ファンタジーが「マクロスF」で不思議にまざっていて感慨深いものがあるわー。