ゼロ年代ファンタジー。ブッシュ・イラク戦争と小泉改革

ちょっと話題があちこちとぶけど、ブッシュ政権小泉政権っていうのは、ゼロ年代ファンタジーだったんではないかという話。


構造改革なくして景気回復なし」をスローガンに掲げた小泉改革といえば、郵貯資金+財政投融資、公共事業でもって地方への再分配とか、累進税率とか、終身雇用とか、、、のそれまで日本を支えてきた再分配の制度(もしくはそれに類するもの)を、既得権益というネーミングして、まっこうからつぶしにかかった。その姿はあたかもスーパーヒーローようで、支持率も高かったことは記憶に残るところ。


小泉改革とはいってしまえば、アメリカ型の市場原理を導入して、みんなで国際競争に勝とうみたいなのを目的とした政権で、構造改革とは、「お荷物を切り捨てれば、競争力あがるじゃん」ということだろう。でもって、いろんな業種での規制緩和を実施したり。経済も株主優先に切り替えて、証券市場を活性化させたり、日本のやってきたことの転換をいろいろおこなってくれた。多くの人が「改革すれば回復できる」とその筋書きにのっかったわけだけど、いつ景気回復すんのかよ? 「改革しても回復なし」でオーケー? 


小泉改革市場原理主義でにわかに期待をせおうことになった株式市場で何が起こっていたかと、ホリエモンとか、村上ファンドみたいな錬金術をつかうヒーローが誕生。海外アート市場にも村上隆という錬金術師が、オタクアートで脚光を浴びたりしてた。市場と名のつくところでは、なんだか景気のいい話がもちあがり、市場原理主義ばんざーい、小泉改革ばんざーい、というムードで盛り上がっていた。が、あいつぐ逮捕劇でもって、短期間消えていった。(※追記 不当な貸し渋りに苦しむ企業はつぶれ、ハゲタカ・ファンドが安く日本を買い叩いていったりもした。)しかし、サブプライムローン破綻、リーマンショックでこのところ風向きがかわってきたという感じ。後にわかったのは、アメリカが借金をして消費しまくっていた、つまりバブル景気だったという事実・・・・。


アメリカの経済は、日本の銀行とかをはじめ、アラブ石油資本とか世界中からお金を集めて、そのお金で世界中のあちこちに株式市場に投資したりして、配当でもうける仕組みで成り立っているらしい。金融国家なのだ。ドルは基軸通貨であるため、ドルが値下がりしないから、どんなに借金をこさえても、この仕組みが維持しつづけられるのだ。いま振り返れば、小泉改革が掲げてた国際競争とは、なんのことはない、アメリカが儲かるこの仕組みにのっかることだったんでないかな? その仕組みのきしむ音が聞こえる、アメリカ発の世界不況は、これからやってくる10年代へ伏線なんだろうなーという予感。ともかくも、「改革なくして回復なし」とは、ファンタジー・ヒーローをきどった茶番劇だったのか? 


またアメリカのブッシュ政権といえば、「できそこない田舎のアル中が大統領に!」というのが、まずシンデレラストーリー的だった。アメリカンドリームといわれるくらいあって、「一躍大スターに」とはアメリカ人の好きそうな筋書きだ。さらにニューヨーク貿易センタービルをテロが襲った。いわゆる911事件。それに対しても、アメコミとか、サンダーバードのように「世界の平和はアメリカが守る!」とイラク戦争をおっぱじめる。強いアメリカ、強いヒーロー。そんな感じに見えるから当初は支持されたわけだ。しかし、当のイラクは直接は関係なかったというのが後にわかったので、なんとも迷惑なヒーローだ。そういえば、テロがあった翌年に公開された『スパイダーマン』のキャッチコピーが「大いなる力には、大いなる責任が伴う」だったのが、イラク戦争をしかけるアメリカとかぶってしまう。のちのシリーズで、主人公のピーターが、殺されたベンおじさんの復讐するが、その相手はじつは犯人ではなかったというのも、偶然だったにしろなんだかよくできた話だったな。と当時を思い出す